高校時代、付き合っていた彼氏と別れてしばらくしたあと、ある先輩が少し気になり出していました。同じ部活の先輩です。知識が豊富で優しくて、少し口下手な人でした。まだ、前の彼氏と別れてから日もたっていませんでしたし、特にアプローチすることはありませんでした。高校の文化祭の日、一緒に準備したりんご飴をうったり、商品はお菓子ですが、金魚すくいを楽しめるようにしていました。卒業した先輩が遊びに来てくださって人数に余裕が出来たので、交代で展示を見に行くことになりました。そのときに一緒にまわることになったのがその先輩です。しばらく無言で歩いていましたが、ポツリと「その浴衣、似合っているね。いつもと雰囲気が違う」といわれました。私の通っていた高校では、伝統として浴衣や甚平を着るのが一般的でした。私も淡い浴衣を着ていました。先輩の顔を見ると真っ赤になっていて、私も赤くなっていたと思います。それでも勇気をだして「先輩も甚平似合っています。かっこいいです。」多少言葉のチョイスを間違えた気がしましたが、耳まで真っ赤になっていました。しばらく一緒に展示を回って帰り道、「最近元気ないようだから心配していたんだ。楽しめたみたいでよかった。」「なにかあったら、いつでも話聞くからね。」こんなこと言われたら、本当に好きになってしまいました。けれど、告白はできません。彼はもう別の女の子とお付き合いしているのを知っていました。その子といるときの幸せそうな顔が大好きだから、告白もしないし、だれにもいうつもりもありませんでした。そっと胸にしまって、自分だけの秘密にしていました。文化祭の恋は、誰にも言わずに終わってしまいました。今でも思い出すと切なくなります。
失恋からの立ち直り
先輩が卒業してからもずっと好きでそのまま3年間、ずっと一人の人を想い続けていました。少し苦しかったけど、それでいいし、その人以上に好きになるひとはいないのかな、と勝手に思っていました。転機になったのは大学3年生のある日。いつもどうり講義を受けようとしていた日、「隣座っていいですか?」と一人の男の子から声をかけられました。その日だけになるのかなっと思っていましたが、その次の講義も、その次も声をかけてくれました。人見知りだったのですがだんだんと話すようになりました。その後、その人から告白をされ、お付き合いを始めました。その人が今の旦那さんです。