就職活動中に出会い、21〜22歳の1年間お付き合いしていた彼。私は一般企業に、彼は放送局系の会社に入社。そのうち、彼は同期入社の方のことをよく話すようになりました。その名前は悲しいかな今でも覚えています。「あいつはバカだ」とか「ムカつく」とか・・・。でも明らかに心が傾いているとわかりました。やがて、私に辛く当たるようになり、手を挙げる寸前ということもありました。私と別れたいんだな、離れて欲しいんだなと感じ、私は彼から言ってくれるのを待っていましたが、その嫌がらせのような行為があまりに続いたので、夏休みの旅行先から彼に電話で別れを告げました。彼は嬉しそうに「おまえにもいい奴ができたのかぁ?」と。そしてこう言いました。「この先、どんな女を女としても見ても、お前だけは女として認めない」。それから3ヶ月くらい、私は悲しむことも、落ち込むこともできず、ショックのあまり涙も出ないほどでした。
失恋からの立ち直り
彼と別れてから数ヶ月。クリスマスの季節になった頃です。ぼーっとラジオを聞いていた私の耳にある歌が飛び込んできました。そして涙が後から後からぽろぽろぽろぽろ出てきたんです。やがてそれは号泣となり、声をあげてわーわー泣いていました。「泣いてきたのはもう一度生きるため。赤ちゃんのように泣いてきたのは、生まれ直すためだよ」そう私に言ってくれているような気がして、ホッとしたんです。女として存在しちゃいけない、お前なんて消えてしまえ!彼に言われた言葉が私にはそう聞こえて、ずっと自分を責めていたことに、私は気づきました。まさしく、凍り付いていた心が溶け出した瞬間でした。私に泣いて立ち直らてくれたのは、中島みゆきさんの『誕生』という曲。この曲は一生忘れられない、私にとってのセラピストのような存在になりました。