初めて好きになった彼氏はバツイチでした。GLAYのTERUさんに似てるカッコいい人でした。お子さんは母親が引き取ったそうですが、私は19歳、彼は34歳ジェネレーションギャップを埋められませんでした。そして、生活が苦しいから離婚しただけという話をある日聞いてしまい、若い私は小生意気に「それって児童扶養手当の不正なんじゃない?」と言ったら彼から「二度と家に来るな、帰れ」と言われそれっきりでした。
収入が低いことをきっと気にしていたのにものすごく無神経なことを言ってしまったなと後悔しましたが、携帯も着信拒否だったので泣く泣く諦めました。言ってはいけない一言の重みを学びました。まだ19歳、大学生でアルバイトしかしたことのない私に偉そうなことを言われて、彼は腹に据えかねたのだと思います。
そうでなくても年下ということでかなり甘やかされていて、少ない収入の中からほとんどのデート代を出してくれていました。私が口を出すことではないと思いつつ、まだ3歳だったお子さんの養育費とかちゃんと払ってるのか心配でした。節約するために、私のバイトのお給料で食材を買ってなるべく彼の家で料理を作って外食する機会を減らしました。無理して映画や外食に連れていってもらっても、申し訳なくて気がとがめてしまうからです。
しかし、彼の立場から見ると通い妻気取りで下手な手料理を作る19歳って痛々しい女だったと思います。無理して大人ぶってる感があったし、一人暮らしの気楽さを楽しみたいのに料理やら掃除やら張り切ってやられてもありがた迷惑だったと思います。
時々遠い目をしていたのは元奥さんとお子さんとよりを戻したいんだろうなと鈍い私でも分かりました。とても悲しかったですが、お子さんの立場に立ったら別れて良かったと今は思えます。一回り以上離れた人と自分の親が付き合ってたら、子どもは生理的嫌悪感を覚えるはずです。
失恋からの立ち直り
仕事はそれなりに頑張っていたのですが、週末にデートの予定がないことが淋しくて淋しくて、時間を埋めるために趣味に打ち込みました。読書が好きなので一日中図書館に入り浸って、純文学からエンタメ小説、哲学書、新聞までありとあらゆる活字を読みました。ただ、読むだけだと読みっぱなしになるので読書ノートを書いていました。
意外だったのは哲学書の中に失恋から立ち直るヒントがありました。ニーチェの言葉が個人的には刺さりました。哲学者ってネクラな人、今でいうなら非リア充っぽい人が多いから失恋したときに哲学書を読むとヒントが結構書いてあります。
詩人だとハイネが良かったです。ハイネは失恋の天才だと思います。これだけ失恋を美化出来るのは特殊スキルです。
図書館で本を借りなかったのは返し忘れそうだったからです。まだ失恋で情緒不安定で本を期限までに返す自信がありませんでした。朝簡単なお弁当を作ってお昼は図書館の側の公園で食べます。緑豊かな公園でお弁当を食べて気分転換しました。
一人で黙々と本を読んでいるうちに、一人で過ごす時間も悪くないなと思えるようになり、また、失恋よりももっと悲しいことが世の中にはあると思いました。