中学生のとき、同じクラスの男の子に片思いをしていました。 テニス部の部長で、部活をしている姿がかっこいいだけでなく、 明るくて、面倒見もよくて優しいので、男子の友達も多く人気者でした。 女子も気さくな彼にはみんな笑顔で話していて、 私の部活の後輩達も「彼先輩、かっこいいですよねー。同じクラスでいいなあー」と 私をうらやむくらい彼に憧れていました。 私も、恥ずかしがりで男子とうまく話せなかったのに、 気にせずいろいろ話してくれる彼には、淡い好意を抱かずにいられませんでした。 しかしある日、彼は同じクラスの積極的な女の子とつきあいはじめました。 毎日仲良さげに話す二人の姿を見るたびに、私は胸がしめつけられました。 しかし友達にも後輩達にも内緒の片思いだったので、 あからさまに悲しむことはできませんでした。 つとめて冷静を装って、今までどおりクラスメイトとして彼に接して、 そのまま卒業になりました。
失恋からの立ち直り
ちょうど受験勉強の時期で、私は市内一の進学校を目指していたので、 勉強に集中して余計なことを考えないようにしていました。 勉強を頑張っていると、彼が「これ答え何?」「英語クラス一位?さすが」などと 素直に話しかけてくれるので、それで認めてもらう幸せをかみしめていました。 彼女になれなくても、じゅうぶん幸せだと思うようにしたのです。 そもそも彼の彼女になった女子も、 仲良しグループではないものの、私にとってはクラスメイトで普通の友人です。 告白する勇気を持った彼女はすごいと、素直に尊敬して、彼と長く付き合えるようひそかに応援していました。 そのうち卒業して、彼とも彼女とも違う高校になり、すっかり思い出になりました。